2月 03日 前立腺肥大症について
男性特有の臓器の一つに前立腺があります。膀胱の前に立っているように存在するために前立腺(英語ではProstate)といいます。前立腺は膀胱の出口で尿道を取り囲むように存在しています。そのため肥大が進行すると尿道を圧迫し尿勢低下、頻尿、排尿困難などの症状と引き起こします。重症のケースでは尿閉状態(尿が膀胱内に溜まっているにも関わらず排出できない)に至り、更には腎不全になる場合もあります。
前立腺肥大は加齢現象であり男性であれば避けて通れません。院長も男性である以上、前立腺肥大症で将来的に悩む可能性が勿論あります。ただ肥大が起きても症状が無い場合もありますので、肥大がありその症状で生活の質(QOL)下がる場合に前立腺肥大「症」と考えます。
診断には国際前立腺スコア(IPSS)、超音波検査、尿流測定検査などを用いて診断していきます。前立腺肥大が進行すると前立腺がんになると勘違いされる方が少なからずいらっしゃいますが肥大の進行で前立腺がんになる事はありません。ただ、前立腺肥大の中に一定の割合で前立腺がんが潜んでいますので当院では前立腺がんのマーカー(PSA)の検査も併せてご提案しています。PSAは一般的には4.0を超えると注意が必要とされていますが、経時的な変化や前立腺肥大の程度、年齢を考慮し専門的に判断する必要があります。
前立腺肥大症は主に薬物療法で治療していきます。薬物療法を行ったにもかかわらず症状の改善が乏しい、前述のように尿閉状態に至る、排尿困難が重症なケースには手術を検討する事になります。最近ではほとんどが経尿道的手術(尿道から内視鏡を挿入し手術する)する事が一般的です。従来の電気メスで切除する方法やレーザーで前立腺肥大部をくりぬく手術などが行われます。加齢現象なので治すというよりかは治療で症状のコントロールをつけて上手く付き合っていくというのが正しい表現といえるでしょう。
手術が必要なケースでは連携している近隣の医療機関に紹介させて頂いています。病院によっては院長が直接、協力医療機関に赴き手術を行っています。
当院では前立腺肥大症を適切に診断するよう最新診断機器を導入しています。特に尿流検査に関しては写真の様に一見、通常のトイレですが尿流を測定できる機械を導入しています。いつも通りに排尿して頂くだけで尿の勢いが測定できます。
頻尿や尿勢低下など排尿についてお困りの方は是非、当院にご相談下さい。泌尿器科専門医の立場から適切に診断しサポートさせて頂きます。
せたがや泌尿器腎クリニックは皆様の生活の質を下げる泌尿器疾患から症状をコントロールし健康な毎日を送れるようお手伝いすべく日々研鑽しております。また、当院では感染対策を徹底していますのでコロナ感染症の影響はなく診療を行っていますまた、スタッフ全員がコロナワクチン3回目接種を済ませておりますのでご安心ください。
当院は桜新町・用賀・駒沢エリアで数少ない泌尿器科専門医のクリニックです。せたがや泌尿器腎クリニックをよろしくお願い致します